まず、次の投稿を読んでみてください。
「最近、仕事の効率化についていろいろ考えています。やっぱり大事なのは工夫ですね。皆さんも頑張りましょう!」
書いた本人に悪気はありません。ただ、読んだ人の手元には何も残りません。何を工夫すればいいのか、誰に向けた話なのかが見えないからです。X(旧Twitter)の投稿は、タイムラインを流れる中で一瞬だけ目に留まるかどうかの勝負です。その一瞬で「自分に関係がある」と思ってもらえるかどうかは、書き方でかなり変わります。
この記事では、よくある「惜しい投稿」を実際に書き直しながら、短い文章で伝わる書き方のコツを紹介します。どれだけ伸びるか、商品が売れるかは内容や時期にも左右されるので、ここでは「読まれやすく、誤解されにくい」投稿を目指します。
書き直し例で見る、3つの改善ポイント
冒頭の投稿を、次のように書き直してみます。
「月末の請求書チェック、2時間かかっていたのが40分になった。やったのは1つだけ。チェック項目を『金額・日付・宛名』の3列にして、上から順に〇をつけるだけ。頭で覚えるのをやめたら、見落としも減った。」
変えたのは、次の3点です。
- 場面を特定した:「仕事の効率化」ではなく「月末の請求書チェック」。読み手が自分の仕事に重ねやすくなります。
- 変化を数字で示した:「2時間→40分」。ただし、これは自分の実体験の数字に限ります。盛った数字は、後で必ず信頼を損ねます。
- やり方を一つだけ書いた:コツを5つ並べるより、1つを具体的に書いたほうが、読んだ人がすぐ試せます。
もう一例いきましょう。
書き直し前:「プレゼンが苦手な人、多いですよね。私も昔はそうでした。」
書き直し後:「プレゼンで頭が真っ白になる人へ。スライドの右下に、そのページで言いたいことを10文字でメモしておくと、詰まっても戻ってこられる。私はこれで、質疑の前に固まることがなくなった。」
共感だけで終わる投稿は、読み手が「そうそう」と思ってもそこで止まります。共感のあとに、具体的な一手を置くこと。それが、保存されたり、プロフィールを見に来てもらえたりするきっかけになります。
3つ目の例も見ておきます。書き直し前:「資料作りが早い人の共通点、知りたくないですか?」。問いかけで興味を引こうとする書き方ですが、答えが書かれていないため、読み手は続きを想像できません。書き直し後:「資料が早い先輩は、パワポを開く前に紙に4コマの絵を描いていた。真似したら、構成で悩む時間が半分くらいになった。」。答えを先に出したほうが、結果的に読み進めてもらいやすくなります。
短い文字数で伝えるための削り方
Xの投稿には文字数の上限があり、日本語の場合は通常のアカウントでおよそ140字が目安です。長文を投稿できるプランもありますが、タイムラインで目に留まる最初の数行が勝負なのは変わりません。
削るときは、次の順番で見直すと効率的です。
- 前置きを消す:「最近思うのですが」「個人的な意見ですが」などは、ほとんど削っても意味が変わりません。
- 同じ意味の言葉を一つにする:「とても」「本当に」「すごく」が続いていないか確認します。
- 一文を短くする:読点が3つ以上ある文は、二つに分けられないか考えます。
- 最後に結論を確認する:削った結果、一番伝えたいことが残っているか読み返します。
最初は200字くらいで書き、そこから削っていくほうが、最初から140字に収めようとするより書きやすいはずです。削る作業に5分かけるだけで、投稿の読みやすさはかなり変わります。
書き終えたら、一度声に出して読んでみるのもおすすめです。つかえる箇所は、読み手にとっても読みにくい箇所です。投稿前に、スマホの画面でどう見えるかも確認しましょう。改行の位置一つで、ずいぶん読みやすさが変わります。
商品やサービスを紹介するときの書き方
有料記事やスキル販売の告知をするとき、多くの人がやってしまうのが、宣伝文句を並べることです。「絶対に役立つ」「誰でもできる」「今だけ」といった言葉は、読み手を警戒させやすく、内容によっては誇大な表現と受け取られるおそれもあります。
代わりに、普段の投稿と同じく「場面・変化・一つのやり方」で書き、その続きとして商品を案内します。たとえば「請求書チェックの3列表、テンプレートと使い方の手順をまとめました。経理1〜3年目の方向けです」。誰に向けたものかがはっきりしていれば、合わない人は買わずに済み、結果として購入後の不満も減らせます。
告知の頻度は、普段の投稿の合間にときどき入れる程度にとどめましょう。宣伝ばかりのアカウントは、フォローを外される原因になりがちです。普段の投稿で役に立つ情報を出し続けていれば、告知の一本も「この人が言うなら」と読んでもらいやすくなります。
うまくいかない投稿があっても、気にしすぎる必要はありません。同じ型で書いても、反応は日によって違います。10本、20本と書いていくうちに、自分の言葉で書ける型が少しずつ固まっていくはずです。