副業の経験をキャリアアップにいかす|転職と語学学習の考え方

副業を始めてしばらくすると、ふと考えることがあります。「この経験は、本業のキャリアにもつながるのだろうか」。副業で身につけた文章力、発信力、小さな仕事を自分で回した経験。それらは、転職や社内での異動、語学を使った新しい挑戦の土台にもなり得ます。

この記事では、副業とキャリアアップを、別々のものではなく、つながったものとして考えるための視点を整理します。転職や昇進を約束するものではありません。キャリアの選択は、一人ひとりの状況によって大きく異なります。

副業の経験を「言葉にできる実績」に変える

副業の経験をキャリアにいかすには、まず、それを他の人に説明できる形にしておく必要があります。

たとえば、「ブログを2年続けています」だけでは、何ができるのかが伝わりにくいものです。「読者の悩みを調べ、構成を考え、月に4本の記事を書き続けた。アクセスの数字を見ながら、見出しや導入を改善した」。こう書けば、企画力、継続力、データを見て改善する力が伝わります。

副業の経験を振り返るときは、次の3つの観点で書き出してみてください。

  1. 何をしたか:具体的な作業や役割
  2. どう工夫したか:うまくいかなかったときに、何を変えたか
  3. 何が変わったか:数字や、相手からの反応など、確かめられる範囲の結果

書き出したものは、一度で完成させる必要はありません。半年に一度ほど見直し、新しい経験を足していくと、いざ転職や異動の話が出たときに、慌てずに準備ができます。社内の評価面談で、自分の強みを説明するときの材料にもなります。

ただし、職務経歴書や面接で副業の経験を伝える場合は、副業が勤務先の就業規則で認められているかどうか、転職先にどこまで伝えるかを考えておく必要があります。現在の勤務先の情報や、副業の取引先の秘密に当たることは、書かないようにしましょう。

転職を考えるときの順番

副業の経験が自信になり、転職を考え始める人もいるでしょう。そのときは、勢いで動く前に、次の順番で整理するのがおすすめです。

まず、今の仕事で何に不満があり、何に満足しているのかを書き出します。不満だけを理由に転職すると、次の職場で同じ問題にぶつかることがあります。次に、次の仕事で何を大切にしたいのかを、優先順位をつけて決めます。給与、仕事の内容、働き方、成長の機会。すべてを満たす職場はなかなかありません。

その上で、求人の情報を集め、必要に応じて転職の支援サービスや、知人の話も参考にします。副業を続けたい場合は、転職先の副業に関する方針も、早めに確認しておきましょう。

転職の活動は、本業と並行して進めることになるため、時間の確保も課題です。面接の日程は平日の日中になることも多いので、休暇の取り方も含めて、無理のない計画を立てておきましょう。在職中に今の勤務先の情報を持ち出したり、同僚を勧誘したりすることは、トラブルの原因になるので避けてください。

転職だけがキャリアアップではありません。社内の異動や、新しいプロジェクトへの参加、資格の取得など、今の職場の中で選択肢を広げる方法もあります。副業で身につけたスキルを、本業で活かす場面を探してみるのも一つの方法です。

語学は「使う場面」から逆算する

キャリアアップのために、語学を学びたいと考える人も多いでしょう。会社員が語学を学ぶときに大切なのは、「何のために、どの場面で使うのか」をはっきりさせることです。

海外の取引先とメールでやり取りしたいのか、会議で発言したいのか、海外の情報を読んで仕事に活かしたいのか。目的によって、優先すべき力(読む、書く、聞く、話す)が変わります。メールのやり取りが目的なら、まずは仕事でよく使う表現を集め、自分用の例文集を作るところから始められます。

忙しい会社員にとって、語学の学習は、まとまった時間を取るより、毎日少しずつ続けるほうが現実的です。通勤時間に音声を聞く、昼休みに10分だけ読む、寝る前に今日の一文を書く。副業の時間術と同じように、小さく分けて続けることが大切です。

語学の試験のスコアは、転職や社内の選考で、目安として使われることがあります。ただし、どの試験やスコアが求められるかは、会社や職種によって異なります。目指す仕事の求人や、社内の制度を確認した上で、目標を決めましょう。

学ぶための費用については、一定の条件を満たすと、国の教育訓練給付制度を利用できる講座もあります。対象となる講座や条件は、厚生労働省やハローワークの公式情報で確認してください。勤務先に、資格取得や語学学習を支援する制度がある場合もあります。

副業と本業を、行き来しながら育てる

副業の経験は本業に、本業の経験は副業に。その行き来の中で、自分にしかない組み合わせのスキルが育っていきます。たとえば、経理の知識とブログの発信力。営業の経験と語学。一つひとつは珍しくなくても、組み合わせることで、他の人にはない強みになることがあります。

キャリアの答えは、すぐには出ません。けれど、副業で得た経験を記録し、言葉にし、本業や次の選択にいかそうとする。その積み重ねが、5年後、10年後の選択肢を、確実に広げてくれるはずです。

次に開くなら

入口がまだぼやけているときは、診断か順番からで十分です。上限や止め時なら停止判断・記録、ツールと用語集も横に置いてあります。

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