画面の向こうに、参加者が7人。カメラをオフにしている人がほとんどで、反応があるのかどうかも分からない。初めてのウェビナー(オンラインセミナー)は、たいていこんな静かな場から始まります。それでも、終了後に届いた一通の「分かりやすかったです」というメッセージが、その後の発信を支えてくれることがあります。
ウェビナーや動画は、文章だけでは伝わりにくい人柄や話し方を届けられるため、信頼を作る手段として使われます。この記事では、会社員が副業で小さなウェビナーを開き、それを動画コンテンツとしても生かすまでの流れを整理します。参加者が集まることや、その後の販売につながることを約束するものではありません。
テーマは「45分で一つの悩みが片づく」もの
最初のウェビナーのテーマは、45分ほどで一つの悩みが解決できる大きさに絞ります。「Excel入門」では広すぎます。「月末の集計表をピボットテーブルで作り直す45分」くらい具体的なほうが、参加する人も、自分に必要かどうかを判断しやすくなります。
時間の配分の一例は次のとおりです。
- 5分:自己紹介と、今日のゴールの確認
- 25分:本題(実演を中心に、手順を一つずつ)
- 10分:質疑応答
- 5分:まとめと、資料や次の案内
本題の中心は、話よりも実演です。画面共有で、実際に操作しながら説明すると、参加者はその場で手を動かしながら学べます。スライドは、要点を確認するための数枚で十分です。
参加者が後で見返せるよう、手順をまとめた簡単な資料を用意しておくと喜ばれます。A4で1〜2枚程度のPDFで構いません。
準備は「リハーサル1回」が最大の保険
オンラインでの開催では、内容よりも先に、機材や通信のトラブルが起きがちです。本番の数日前に、家族や友人に参加者役を頼み、本番と同じツールで一度通してみましょう。
確認しておきたいのは、次のような点です。音声がはっきり聞こえるか、画面共有で文字が読めるか、通知やデスクトップに個人的な情報が映り込まないか、時間配分は予定どおりか。照明の位置や背景も、このときに確認しておきます。ここで見つかった問題を直しておくだけで、本番の不安はかなり減ります。
使うツールの機能や料金、参加人数や時間の制限は、サービスごとに異なります。無料の範囲で開催できるかどうかも含め、事前に公式の情報で確認してください。
参加者を集める:小さく、具体的に告知する
告知は、普段発信している場所で行います。何が学べるか、誰に向いているか、日時と所要時間、参加方法と費用を、短くまとめます。最初は無料で、少人数で開くのが現実的です。告知は、開催の1〜2週間前と前日の2回程度で十分です。参加者が少なくても、一人ひとりの質問に丁寧に答えられるという利点があります。
申し込みの受付には、無料のフォームを使う方法があります。集めた氏名や連絡先は、開催の案内以外の目的で使わないこと、使う場合は申し込みの時点で明示して同意を得ることが前提です。後日、広告や宣伝を含むメールを送るつもりなら、特定電子メール法のルールにも沿う必要があります。
当日:沈黙を恐れない進め方
オンラインでは、参加者の反応が見えにくく、話す側は不安になりがちです。けれど、カメラがオフでも、参加者はちゃんと聞いています。反応を求めるなら、「ここまでで分からないことがあれば、チャット欄に一言どうぞ」と、具体的な行動を示して声をかけます。
質疑応答で答えられない質問が来たら、無理にその場で答えず、「確認して後日お送りします」と伝えます。不確かなことを断定するより、そのほうがはるかに信頼につながります。
終了後は、当日のうちにお礼のメッセージと資料を送ります。あわせて、簡単なアンケートで「分かりにくかった点」と「次に知りたいこと」を聞いておくと、次回の内容を決める手がかりになります。
録画を「コンテンツ」として生かす
ウェビナーを録画しておけば、参加できなかった人への共有や、動画コンテンツとしての再利用ができます。ただし、録画することや、その使い道は、事前に参加者に伝えておきましょう。参加者の顔や名前、質問の内容が映り込む場合は、公開前に編集で取り除くか、本人の了承を得ることが必要です。
録画は、そのまま公開するより、本題の部分を5〜10分程度の短い動画に分けると、見る人にとって手に取りやすくなります。各動画には、何が学べるのかが分かるタイトルをつけましょう。質疑応答で出た質問は、そのまま次の動画や記事のテーマになります。一度のウェビナーから、複数の発信の材料が生まれるのが、この方法のよいところです。
会社員としては、就業規則での副業の扱いの確認と、本業の情報を一切使わないことを、改めて徹底しておきましょう。画面共有では、仕事用のファイルや通知が映り込まないよう、副業専用のアカウントや環境を用意しておくと安心です。