5月10日、ネット通販で商品を仕入れ、クレジットカードで支払う。5月20日に販売サービスで売れる。売上金が自分の口座に入るのは、サービスの入金サイクルによっては6月に入ってから。そしてカードの引き落としは6月下旬。
電脳せどり(ネットで仕入れてネットで売る物販)を始めると、こうした「お金が出ていく日」と「入ってくる日」のずれに、必ず向き合うことになります。この記事では、在庫リスクを抑えながら電脳せどりを始めるために、資金の管理を中心に考えます。利益が出る保証はありません。法律やルールの確認も含めて、損失を小さく抑える方法に重点を置きます。
始める前の確認:許可・規約・会社のルール
中古品を仕入れて販売することを繰り返し行う場合は、古物営業法に基づく古物商の許可が必要です。ネットで仕入れる場合も変わりません。許可の要否や申請の方法は、管轄の警察署や都道府県警察のウェブサイトで確認してください。
販売するサービスには、それぞれ出品できない商品や、出品に条件のあるブランド・カテゴリーがあります。規約に反する出品は、アカウントの停止につながることもあるため、必ず事前に確認します。会社員なら、就業規則で副業が認められているかの確認も忘れずに。
資金は「3つの財布」に分ける
電脳せどりで最初に決めたいのは、使うお金の範囲です。生活費と混ざると、どこまでが仕入れに使ってよいお金なのか分からなくなります。そこで、お金を3つに分けて考えます。
- 仕入れ資金:商品の購入に使うお金。最初は、失っても生活に影響しない額にします
- 予備資金:売れ残りや値下がり、返品に備えるお金。仕入れ資金とは別に確保します
- 生活費:せどりとは一切関係のないお金。ここには手をつけません
可能なら、せどり用の銀行口座とクレジットカードを分けておくと、管理が格段に楽になります。売上と経費の記録も、そのまま確定申告の資料になります。
仕入れ資金の額は、たとえば最初の1か月を3万円まで、と具体的な数字で決めます。売れて資金が戻ってきても、最初の3か月は上限を引き上げないと決めておくと、勢いで仕入れを増やしてしまうのを防げます。
入金と支払いのずれを、カレンダーで見える化する
冒頭の例のように、仕入れの支払いと売上の入金のタイミングは、たいていずれます。販売サービスの入金の時期や方法はサービスごとに異なるため、公式ヘルプで確認し、カレンダーに書き込んでおきましょう。
クレジットカードで仕入れると、支払いを先送りできるように感じます。しかし、引き落とし日までに商品が売れなければ、別のお金で支払うことになります。カードの利用枠を仕入れ資金と勘違いしないことが、電脳せどりで大きな失敗をしないための鉄則です。分割払いやリボ払いで仕入れるのは、手数料の負担も加わるため、避けるのが賢明です。
在庫リスクを抑える3つのルール
売れない在庫は、資金を眠らせるだけでなく、保管場所も取ります。在庫のリスクを抑えるために、次のルールを決めておきます。
- 同じ商品を大量に仕入れない:最初は1〜2個で反応を見る
- 売れるまでの期間を見込む:過去にどのくらいの頻度で売れているかを確認し、売れ行きの遅い商品は避ける
- 損切りの期限を決める:例として、仕入れから60日売れなければ、値下げして手放す
3つ目の損切りは、心理的に最も難しい部分です。仕入れ値を下回る価格で売るのは悔しいものですが、売れないまま持ち続ければ、相場がさらに下がり、損失が膨らむこともあります。期限をあらかじめ決めておけば、感情に流されずに判断できます。
在庫は、置き場所の上限も決めておきましょう。自宅の押し入れ一段分、といった物理的な枠を決めると、それ以上は仕入れない理由になります。
利益は「手元に残る額」で計算する
仕入れの判断では、販売価格と仕入れ値の差だけを見てはいけません。販売手数料、送料、梱包材、場合によっては倉庫や配送サービスの利用料など、売れるまでにかかる費用をすべて差し引いた「手元に残る額」で考えます。各費用の料率や金額は、利用するサービスの公式情報で確認してください。
計算は、スプレッドシートに「仕入れ値」「想定販売価格」「手数料」「送料」「その他」の欄を作り、自動で手元に残る額が出るようにしておくと、1件あたり1分ほどで判断できます。ポイントの還元を利益に含める考え方もありますが、還元の条件や時期は変わることがあるため、最初は含めずに計算するほうが安全です。
最初の3か月の目標
最初の3か月は、利益の額より、資金の流れを把握することを目標にしましょう。月末に、仕入れ資金がいくら残っていて、いくらが在庫になっていて、いくらが入金待ちなのか。この3つを答えられる状態であれば、規模を広げるかどうかを冷静に判断できます。副業の所得が一定額を超えれば確定申告も必要になるため、記録は日々の習慣にしておきましょう。