クラウドソーシングのサイトに登録して、プロフィールを書き、案件を眺める。けれど、どれに応募すればいいのか分からないまま1週間が過ぎる。Webライティングの副業を始めようとした会社員が、最初にぶつかりやすい壁です。
この記事では、クラウドワークスなどのクラウドソーシングで初めての案件を受注し、その後少しずつ単価を上げていくまでの考え方を、段階を追って紹介します。受注できるかどうかや単価は、案件の状況や本人の経験によって大きく変わるため、具体的な金額の目安は示しません。手数料や機能の詳細は、利用するサービスの公式ヘルプで確認してください。
応募の前に:プロフィールに「書ける分野」を明記する
発注者は、応募文と一緒にプロフィールも見ます。ここが空白に近いと、どんなに丁寧な応募文でも判断材料が足りません。
プロフィールには、次の3点を書いておきます。
- 書ける分野:本業や趣味で詳しい分野を2〜3個(例:経理・会計ソフト、子育て、キャンプ用品)
- 作業できる時間:平日夜と土日など、連絡や作業が可能な時間帯
- 実績の代わりになるもの:実績がなければ、自分で書いたブログ記事やサンプル記事
実績がない段階では、サンプル記事が大きな助けになります。自分の得意分野で、2000字程度の記事を1〜2本書き、ブログや共有可能な文書にしておきましょう。本業の守秘義務に触れる内容は含めないよう注意してください。
初案件は「自分の分野×無理のない量」で選ぶ
最初の案件を選ぶときは、報酬の高さよりも、次の2点を優先します。
- 自分の分野に近いこと:調べる時間が少なく、具体的な内容を書けるため、品質を出しやすい
- 量と納期に無理がないこと:平日夜の作業時間から逆算して、確実に納品できる量であること
たとえば、平日の夜に1時間、週末に3時間使えるとすれば、週に7〜8時間です。慣れないうちは、2000字の記事に調べ物と見直しを含めて3〜4時間かかることもあります。週に2本が上限、くらいに見積もっておくと、本業が忙しくなっても納期を守れます。
応募文は、定型文の使い回しではなく、案件の内容に触れて書きます。「〇〇についての記事とのことですが、私は経理の実務を8年経験しており、会計ソフトの導入時の注意点を具体的に書けます。サンプル記事はこちらです」。相手の募集文を読んだことが伝わる一文があるだけで、印象は大きく変わります。
応募の数は、最初のうちは週に3〜5件程度で十分です。数を打つより、一件ごとに募集文を読み込んで応募文を書くほうが、結果的に受注につながりやすいと考えています。不採用が続いても、応募文を見直す材料が増えたと捉えましょう。
契約内容を確認する習慣
受注が決まったら、作業を始める前に、契約の内容を確認します。業務の内容、報酬額、納期、修正の回数や範囲、支払いの時期。書かれていない点があれば、作業前に質問しておきます。特に、修正が何回まで報酬に含まれるのかは、後から揉めやすい点です。やり取りはサービス内のメッセージで行い、記録を残しておきましょう。
2024年11月1日に施行されたフリーランス・事業者間取引適正化等法(いわゆるフリーランス新法)では、発注する事業者に対して、業務内容や報酬額、支払期日などの取引条件を明示することや、成果物を受け取った日から60日以内のできるだけ短い期間で支払期日を定め、その日までに報酬を支払うことなどが定められています。詳しくは公正取引委員会や厚生労働省の案内を確認してください。自分を守るためにも、条件をはっきりさせてから作業を始める習慣をつけましょう。
また、仮払いなど、サービスが用意している支払いの仕組みの外で、直接のやり取りや支払いを求められた場合は注意が必要です。サービスの規約で禁止されていることも多く、トラブルの際に守ってもらえなくなるおそれがあります。
単価を上げるのは「実績」と「専門性」の掛け算
数件の納品を終えたら、単価を上げることを考え始めます。近道は、次の二つを積み上げることです。
- 評価と実績:納期を守り、修正にも丁寧に対応した結果として得られる評価は、次の受注の大きな材料になります
- 専門性:自分の本業の分野に絞って受注を重ねると、「この分野ならこの人」と認識されやすくなります
継続の依頼をもらえた発注者とは、数か月の取引を経たタイミングで、作業範囲を広げる相談をしてみるのも一つの方法です。構成づくりや画像選定まで任せてもらえるようになれば、記事1本あたりの報酬も見直しやすくなります。ただし、交渉はあくまで丁寧に。断られても関係を損ねない伝え方を心がけましょう。
会社員としての確認事項
最後に、就業規則で副業が認められているかを確認しておきましょう。報酬は所得として扱われ、給与以外の所得が一定額を超えれば確定申告が必要です。報酬の明細はサービスの管理画面からダウンロードできる場合があるので、毎月保存しておくと安心です。