この記事には広告・アフィリエイトリンクが含まれます。収益を保証するものではありません。
完了ログをつけているのに、何の判断にも使えていない。これは、記録を続けている人の多くがぶつかる壁です。原因は大抵、ログを「読むもの」として扱っていることにあります。文章として読み返すと、「頃頑張っていたな」という感想しか出てきません。
ログは、数字を拾って初めて判断の材料になります。しかも、拾うべき数字はさほど多くありません。月に一度、10分もあれば、翻月の行動を変えるだけの情報は取り出せます。
この記事では、手元の完了ログからどの数字を作り、どう見るのかを順に整理します。表計算ソフトの関数に詳しくなくても、電卓で足りる範囲に収めてあります。
結論:作る指標は4つで十分
完了ログから作る指標は、平均所要時間、見積もり誤差率、実質時給、件数の4つです。これ以上増やしても、見る時間が増えるだけで、判断の精度は上がりません。
平均所要時間は、次の見積もりの精度を上げるための数字です。見積もり誤差率は、自分の見積もりのくせを知るための数字です。実質時給は、案件を続けるかを判断するための数字。件数は、自分の容量を知るための数字です。
重要なのは、この4つがそれぞれ別の行動につながっていることです。数字を見ても行動が変わらないのであれば、その指標は自分には不要です。指標を増やすときは、先に「この数字が悪いときに何をするのか」を決めてからにしてください。
見積もり誤差率の作り方と使い方
見積もり誤差率は、実際の所要時間を見積時間で割った値です。見積2時間で実際3時間なら1.5。これを5件分並べると、自分のクセがはっきりします。多くの人は1.3から1.8の間に収まります。
この数字の使い道は単純です。次に見積もりを出すときに、自分の感覚の時間にこの値を掛けるだけです。感覚で「3時間くらい」と思ったら、誤差率1.5を掛けて4時間半で見積もる。これだけで、納期の安全度が大きく上がります。
注意点もあります。誤差率が案件の種類ごとに大きく違う場合、平均を取る意味がありません。執筆は1.2だけど、備考の薄い新規クライアントの件は2.4といった場合は、種類別に分けて見る必要があります。
実質時給は平均ではなく分布で見る
実質時給は、報酬を実稼働時間で割った数字です。ここで多い失敗は、全体の平均だけを見て安心してしまうことです。平均が2,500円でも、中身が5,000円の件と800円の件の混在だったら、見直すべきは800円の件です。
見方は簡単です。件ごとの実質時給を低い順に並べ、上位と下位を見ます。下位の件に共通点があれば、それが次に断るべき案件の特徴です。上位の件に共通点があれば、それが探すべき案件の特徴です。
共通点は、金額ではなく作業の性質に現れることが多いです。「修正回数の上限が決まっていない件は実質時給が低い」「担当者が複数いる件は低い」といった傾向が見えてくると、受注前に確認すべきことが具体化します。
月末10分の手順
- その月の完了ログを上から下まで一度目を通し、件数を数えます。
- 作業時間を合計し、件数で割って平均所要時間を出します。
- 見積時間を控えている件だけで、誤差率を計算します。全件でなくて構いません。
- 件ごとの実質時給を出し、低い順に並べます。
- 下位の件について、「次は断る」「条件を相談する」「このまま続ける」のいずれかを決めます。
- 決めたことを、翻月のカレンダーに一行だけメモします。
6番目が抜けると、集計しただけで終わります。拾った数字を翻月の行動につなげるところまでが、振り返りです。翻週の行動に落とすなら今週の一手、ログの形式自体を見直すなら1週間の記録が参考になります。
数字を誤読しやすい場面
月に3件しかない月の平均値は、ほとんど参考になりません。1件の大きな例外で全体が引っ張られるからです。最低でも5件、できれば三か月分をまとめて見ることをおすすめします。
また、学習を含む作業をそのまま実稼働に入れると、初回の件の実質時給は必ず低くなります。これを理由に断ると、新しい種類の仕事を一切受けられなくなります。初回の件は別枠にして2回目以降で判断するのが現実的です。
逆に、得意な件ばかりの月は数字が良く見えます。このときに件数を増やすと、翻月に苦しくなることがあります。件数の判断は、時給ではなく合計作業時間と自分の上限との比較で行ってください。
よくある失敗
一つ目は、集計の精度を上げようとして、ログの項目を増やしてしまうことです。項目が増えると記録が止まり、結果として集計できるデータが減ります。粗いデータが12か月分あるほうが、精密なデータが2か月分あるより役に立ちます。
二つ目は、悪い数字を見て自分を責めることです。実質時給が低いのは、能力の問題ではなく条件の問題であることがほとんどです。数字は、次の交渉や選択の材料として使うものです。
三つ目は、他人の公開している数字と比べることです。公開されている数字は、前提も集計方法もばらばらです。比べるべきは、先月の自分の数字だけです。
この振り返りをやめてもいいとき
三か月連続で、集計しても行動が変わらなかったなら、一度やめて構いません。受けている案件が安定していて、変える余地がない時期はあります。その間は、完了ログを残すだけにして、集計は半年に一度にします。
逆に、案件の入れ替えを検討している時期や、値上げを相談する前は、集計の価値が高くなります。必要になったときに数字を出せることが大事なので、ログ自体は止めないでください。
次に読むページ
数字は、自分を採点するためのものではありません。次に受ける仕事を、少しだけ良い条件にするための材料です。月末の10分で、その材料は十分に揃います。
※収益を保証するものではありません。取引条件は契約内容によって異なりますので、最終的な判断は各公式情報をご確認のうえご自身で行ってください。アフィリエイト・広告表記
