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副業を始めてしばらくすると、「記録をつけたほうがいい」という話をあちこちで目にします。ただし、具体的に何をどこに書けばいいのかは、意外と書かれていません。結果、ノートアプリを開いて、何を書けばいいか分からないまま閉じることになります。
もう一つのハードルは、最初に形式を作り込みすぎてしまうことです。項目を十個並べたテンプレートを作ると、作った日は達成感がありますが、実際に埋めるのは三日で限界を迎えます。
この記事では、記録をこれから始める人向けに、完了ログのセットアップから最初の2週間の進め方までを順に整理します。続けることを最優先にして、内容の充実は後回しにします。
結論:初日に決めるのは「場所」と「きっかけ」だけ
記録を始める初日に決めるべきなのは、項目でもツールでもなく、二つだけです。一つは書く場所。もう一つは、書くきっかけになる出来事です。
場所は、すでに毎日開いているアプリの中に作るのが原則です。新しいアプリを入れると、「そのアプリを開く」という手間が一つ増えます。その一手間が、疲れている日には致命的です。
きっかけは、「1件納品したとき」がもっとも確実です。時刻で決めると、その時刻に他のことをしている日に抜けます。行動に紐づけると、その行動がある限り記録も発生します。
逆に、初日に決めなくていいこともあります。項目の数、保存形式、将来の集計方法。これらは、実際に三件ほど書いてから決めたほうが、自分に合った形になります。
最初に書く内容
1件終わったときに、次の四つを一行ずつ書きます。日付と取引先、作業内容、かかった時間、そして次に変えること。この四つで、後の振り返りに必要なことはほぼ足ります。
日付と取引先は、後で検索するための目印です。取引先は略称で構いませんが、毎回同じ表記にしてください。「A社」と「A株」が混在するだけで、検索が機能しなくなります。
作業内容は、見直したときに分類できる形にします。「執筆」「修正」「調べもの」といった短いタグを先頭につけておくと、三か月後に種類別の時間を数えられます。
時間は、5分単位で丸めてください。タイマーを使って正確に測ろうとすると、押し忘れた日に「分からないので書かない」となり、そこから途切れます。感覚の数字でも、三か月分あれば傾向は見えます。
四行目の「次に変えること」は、一つだけにします。三つ書くと、次回に三つとも実行できず、「できなかったリスト」が蓄積していきます。一つなら、次回に思い出せます。
最初の2週間の進め方
- 初日:メモアプリにノートを1つ作り、名前を「副業ログ」にします。ホーム画面にショートカットを置けるなら置きます。
- 1件目の納品後:四行書きます。時間が分からなければ「不明」と書いて構いません。
- 2件目以降:同じ形式で追記します。形式を変えたくなっても、2週間はそのままで進めます。
- 1週間目の終わり:書けた件数を数えます。内容は見なくて構いません。
- 2週間目の終わり:初めて内容を読み返します。この段階で不要な項目と、足りない項目が見えてきます。
- 3週間目から:項目を調整します。増やすのは最大でも1つまでにします。
この進め方のポイントは、2週間は内容を見ないことです。書いた直後に読み返すと、「こんなの書いて意味があるのか」と思ってやめたくなります。意味が見えてくるのは、一定の量が溜まってからです。
全体の手順の中での位置づけを確認したい場合は副業の始め方、週単位の振り返りの形式は1週間の記録をご覧ください。
よくある失敗
一つ目は、ツール探しに時間を使ってしまうことです。タスク管理アプリやノートアプリを比較しているうちに一週間が過ぎ、結局一行も書いていない。最初の1か月は、今使っているアプリで十分です。
二つ目は、書けなかった日を遡って埋めようとすることです。完了ログは出勤簿ではないので、抜けていても問題ありません。遡る作業が発生した瞬間に、記録は「面倒なもの」に変わります。
三つ目は、反省を書いてしまうことです。「集中できなかった」「だらだらしてしまった」といった記述は、後で読み返しても行動につながりません。事実と、次の一手だけに限定してください。
四つ目は、人に見せることを前提にすることです。発信する前提で書くと、誤字を直し、表現を整え、結局一件に10分かかります。自分用のログと、発信する文章は別のものとして扱ってください。
続いてきたら追加するもの
1か月続いたら、項目を一つだけ追加しても良い段階です。優先度が高いのは「見積時間」です。依頼を受けたときに自分が何分と見積もったかを残しておくと、実際との差が見えます。
次に優先度が高いのは「報酬額」です。報酬と時間が同じ行に並んでいると、実質時給がその場で計算できます。ただし、報酬を書くことでログを人に見せられなくなる点は意識しておいてください。
逆に、追加しなくていいのは、気分や体調、学んだことのメモです。これらは別の場所に書いたほうが、どちらも長続きします。完了ログは、数字と事実の場所にしておくのがコツです。
続かなかったときの判断
2週間やってみて、一度も書けなかった場合は、形式が重いのではなく、きっかけが合っていない可能性があります。納品後ではなく、入金を確認したときに書く、などに変えてみてください。
それでも続かなければ、一度やめて構いません。ただし、入金額だけは別の表に残しておいてください。これは年末の手続きに直結するので、振り返りとは別に必要になります。
逆に、件数が増えてログが重くなってきた場合は、項目を減らすのが先です。件数を減らす前に、記録の重さを見直す。この順番を間違えると、仕事のほうを削ってしまいます。
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記録は、始めるときにどれだけ小さくできるかで、続くかどうかがほぼ決まります。四行でも多いと感じるなら、二行から始めてください。後から増やすのは簡単ですが、一度途切れた記録を再開するのは意外と難しいのです。
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